地震のようなレーザー発振現象 〜ベキ分布に従う臨界的なレーザー発振ダイナミクス〜

地震現象の特徴の一つに規模の多様性が挙げられます。 これは, あるときは体感できないほど小さな揺れであったり, またあるときは災害となったりと100万倍近く異なる規模のイベントが同じメカニズムの現象として発生する性質で, 平均値で物事が捉えられない様子を指します。 例えばヒトの身長がせいぜい 150cm から 200 cm 程度の範囲に収まり, 2 cm や 20 m の身長の人間は存在しないことと対照的です。 このような地震と同じスケールの多様性を持ったレーザー発振現象が, ある特定の条件下で発生しうることをシミュレーションと実験によって実証しました。 さらに,この現象が「自己組織化臨界」と呼ばれる非平衡系の臨界現象と深い繋がりがあることも明らかにしました。

この研究結果はフィジカル・レビュー・リサーチ誌 (Physical Review Research) に掲載されました (https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevResearch.4.043205)